こんにちはー。「風色の島」の管理人、田代憂です。 ウチのCG講座が、いいかげんなわりに、けっこう評判がよいようで、うれしい限りです。 ただあのCG講座はHP開設当初からあるもので、開設3周年を迎えた今から見ると、 技術的にかなりシンプルです。まあそれだけ、CG初心者にはやさしいのですが……。 そんなわけで今回のCG講座は、基本技術は前回と同じですが、内容が複雑化しています。 自分で書いていてイヤになったほど、かな〜りややこしいです。 ですのでこのCG講座2は、ある程度デジタルペインティングをかじっている人向けです。 最初から「CG初心者は見ていない」の前提で書きましたもので、 そのあたりだけご了承くださいませ<(_ _)> まあ見ているだけでも楽しめると思います。 さて今回のお題絵はアメリカンショートヘアの花梨ちゃんです。 この絵をいっしょに描いていきましょう。 今回も色塗り前の白絵を用意いたしました。 とは言っても今回、絵が大きいので別ページに置いてあります。 こちらのページ(228KB/Jpeg)にありますので、ご興味のある方はダウンロードしてみてください。 また、今回もまた塗り絵寸評をしたいと思います。 塗り絵された方は、メール(to_beat_around_the_bush★hotmail.com)にて送ってください。 (★を@に変えてください) さて、絵が多いのでページを読み込むまでまたちょっとお話をしようと思います。 皆さんは絵を描くとき、どこを描くときに最も力を入れていますか? おそらくたいていの人は、「目」とおっしゃるのではないでしょうか。 「目」は70のパワーで、「髪」は20、「肌」は10みたいな感じで パワー配分していませんか? これからこの講座を読み進めるにあたって、ひとつお願いがあります。 こうした「パワー配分する」姿勢は、ぜったいにやめましょう。 今回、「ファー(毛皮)の描き方」「目の描き方」「髪の描き方」「鈴の描き方」など 項目別にレクチャーしていきますが、全部120の力で描くようにしてください。 たまに、ほんっとうに「目」しか力を入れずに描いてある絵を 見ることがあるのですが、そういうのはダメダメです。 そういう絵を見かけたら、まずその絵の「目の部分」を、 ちょっと指で隠して見てみてください。とたんに、ものすごく貧相な絵になってしまいます。 大切なのは、どこを描くにしても思い切り全力投球することです。 最初のうちは、きついかもしれませんが、そのうち慣れてくることでしょう。 それでは本題に入っていきましょう。 How to paint FUR ファーの描き方 ケモノ絵を描く上で、ファーというのはとても重要な要素です。 田代流のファーの描き方をここに惜しげなく公開しますので、どうぞご参考ください<(_ _)> まずは下準備。全体をレイヤーに分けて仮塗りします。 上から「線画(乗算)」「髪(通常)」「首輪(通常)」「目(通常)」「ファー(通常)」 「ブルースクリーン(通常)」「背景(通常)」な順番です。 もちろん、レイヤーの「透明部分の保護」は忘れてはいけません。 「ファー」レイヤーだけだとこんな感じ。 あとで「指先ツール」で処理しますので、しっぽなどは線画にとらわれることなく、 このようにテキトーにくりぬいてください。 【第1層目のファーを塗る】 「覆い焼きツール」と「焼きこみツール」でラフに陰影をつけます。 ここで使うのが「指先ツール」を「はね」ブラシにして撫でる方法です。 そうすると毛皮っぽくなります。 最終的にはこのようになるのを目指します。 余談ですけど、バスト。このように両腕でぎゅーっと、 バストを強調するのは、殿方の誘惑に大変効果的です。 しかしこれは悪い「球」の陰影つけの例です。 「球」という形は、非常に反射光に敏感な立体です。 ついついこの図のAのように影つけしたくなるのですが、それではダメ。 Bのように下からの反射光を入れなきゃいけません。 バストも球ですので、きちんと反射光をいれましょう。 またこのときに、顔などの「影だまり」となる場所に 「焼きこみツール」で影を落としておきましょう。 つつがなく「指先ツール」で撫で終えたら、「トーンカーブ」を使い、 深みのあるグレーに。(「イメージ」→「色調補正」→「トーンカーブ」) 「RGB」曲線だけでなく、「レッド」「グリーン」「ブルー」も、ぐにぐにいじるのがコツです。 さて次に必要になってくるのが、これらのオリジナルブラシです。 これらの画像を保存し、そのあとフォトショップでこれらの画像を呼び出し、 ひとつずつ「選択範囲」→「全てを選択」したのち、「編集」→「ブラシを定義」してください。 すると新しいブラシとしてあなたのフォトショップに登録されます。 ちなみにこれらの画像の作り方は非常に簡単で、 45x45ピクセルの新規ファイルに、「鉛筆ツール」で点描を打つだけです。 これらのブラシを、以後「ファーリー」ブラシと呼びます。 この「ファーリー」ブラシで「指先ツール」を使うと、こうなります。 え? さっきの「はね」ブラシとあまり変わらないですか? では並べてみましょう。 ね、「ファーリー」のほうが、鋭いでしょう? この「ファーリー」ブラシを使ってまず、 耳の先と、尻尾の毛羽立った部分のファーを表現します。 【第2層目のファーを塗る】 2層目のファーを塗ります。 まず「ファー」レイヤーに、新しくグループ下レイヤーの「第2ファー(通常)」を作り、 そこに塗りつぶしツールでグレー一色にします。 そうしたら、そのグレーにアットランダムに、濃い色と白をのせます。 そこを、「指先ツール」+「ファーリー」ブラシで撫で、 荒い毛を表現します。 「第2ファー」レイヤーを、ソフトライトモードに。 「トーンカーブ」などで色調を落ち着かせます。 なぜこんなメンドクサイことをするかというと、毛の流れは、 1層だけでなく、何層もかさなってできているからです。 ↓ちなみにこれは、さっきの1層のみだったときのもの けっこう違うでしょう? ホントは3層目、4層目もすべきところですが、まあそこまでやると シツコくなるし、第一キリがないので、2層にしておきます。 さてこの作業が済んだら、「ファー」と「第2ファー」は 結合させちゃってください。そうしないと、次の作業ができません。 【毛の一部を、まったく違う色の毛にする】 花梨はお腹が白くて、またシルバーの毛の上に黒い縞模様があります。 とりあえず、シルバーの毛の一部を白くするワザをご紹介します。 まず、「ファー」レイヤーに、新規グループ下レイヤー「白毛(通常)」を作り、 白くするだいたいの場所に、ラフに白を落としていきます。 「指先ツール」と「消しゴムツール」で形を整えます。 んで、そのままその「白毛」レイヤーの不透明度をちょっと下げる……。 でもいいのですが、それだとさっき一生懸命作った、2層ものファーの 形が壊れてしまい、もったいないですよね。 なので、とりあえず「白毛」レイヤーをソフトライトモードにします。 そして、この「白毛」レイヤーの描画部分を選択します。 つまり、↓の赤い部分を選択するのです。 そして、操作するレイヤーを、「白毛」から、 親レイヤーである「ファー」に移し、そこを色調補正をするのです。 もちろん、「トーンカーブ」で。 するとこうなります。これならさっきの2層ファーで作ったファーの質感は残ります。 さっきのと比べると…… やっぱ違いますよね。 耳のピンクの部分も同じ。まずソフトライトで載せ…… 「ピンク部分」レイヤーの描画部分を選択して、 親レイヤーの色調を変えます。 余談ですが、このワザをするときに、選択範囲を表す破線がジャマなときがあります。 そんなときは、「ビュー」→「表示」→「選択範囲の境界線」のチェックをはずせば、 ジャマな破線は消えてくれます(もちろん選択はされている状態のまま)。 覚えておいて損はない小技です。 そうそう、耳のピンクの部分のさきっぽに、紫色を落とすと、 深みが出てなおぐーです。 同じように黒い縞模様も。「線画」レイヤーを非表示にしてみて、 線なんかなくても絵が破綻してなければ、きちんと塗りこめている証拠です。 【耳毛を塗る】 耳毛は線画には入っていません。 イチからフォトショップで描いていきます。 「ファー」レイヤーの上に、新規レイヤーで「耳毛(通常)」を作り、 グレーで耳毛にしたい範囲を適当に塗りつぶします。 「焼きこみツール」「覆い焼きツール」でコントラストをつけます。 「指先ツール」+「ファーリー」ブラシで、お毛毛をひっぱり出すように引っかきます。 「トーンカーブ」と「明るさ・コントラスト」で色調補正。 仕上げに「レイヤーマスク」で毛先をすいて立体感を出します。 毛をすくワザはいろいろ使えますので、ぜひ開発してくださいね。 これでファーは終わりですが、 最後にピンとのびた、おひげを入れるのをお忘れなく〜。 ネコのチャームポイントですから。 How to paint EYES 目の描き方 なんだかんだと申しても、結局、目というものは そのキャラクターの顔をひきたてる、最も重要なところです。 しかし、冒頭でも触れたとおり「目しか力を入れて描かない」ということは 絶対にしてはいけません。絵のすべての箇所を、均等にフルパワーで描くことが重要です。 さて前回のCG講座では、目の描き方は割愛しました。 なぜなら前回は、完全な初心者が対象の講座だったからです。ヘタすると私の描き方をそのまま 使うようになってしまうかも、という恐れがありました。 しかし今回は、上級者向けの講座ですので、皆さんはすでに自分の描き方は確立しておられると 思います。ですので、ここでは「田代スタイルはこんな感じか」くらいの、 参考にする程度で見ていってください。 目のレイヤーは、「白目(通常)」レイヤーを親に、 「瞳(通常)」グループ下レイヤーで構成されています。 まず白目の部分を、「真っ白」でなく、 かすかに陰影をつけるくらいで色塗りします。 次に「線画」レイヤーの瞳のアウトラインを消し、 「瞳」レイヤーを、白目の部分がわずかに残るくらいに拡張します。 このように白目の部分を極端に少なくすると、 動物っぽくなり可愛くなります(なぜなら人間以外の動物には、ほとんど白目部分がないから)。 また「どこを見てるのか、ちょっと不思議」な雰囲気も出せます。 再度余談ですが、私が目指す理想の目は『モナ・リザ』です。つまり、 「絵をどの角度から見ても、こちらを見つめているように見える目」です。 それこそが、究極の「目力」だと思うのです。 「焼きこみツール(「ソフト円」ブラシ)」でだいたいの瞳孔の位置を決め(左)、 次に瞳の外縁部も「焼きこみツール」で色濃くしていきます(右)。 「指先ツール」を「ソフト円」ブラシにして、 このように形を整えます。 そうしたら、「焼きこみツール」の「ソフト円」ブラシ直径を大きくし、 瞳の上の部分を濃〜くします。こうすると上目遣いになって、可愛くなります。 もし下の部分を濃くすると…… なんか見下しているような感じになってしまいます。 しかし意図的に「見下している感じ」にするときは効果的です。 「トーンカーブ」でサファイアブルーに調整。 次に「フィルタ」→「ノイズ」→「明るさの中間値」で 例の「どこを見ているのか、ちょっと不思議」な雰囲気にぼかします。 このとき左右の瞳の大きさが違うので、片目ずつフィルタをかけてください。(ここでは左目だけにかけています) 花梨が真正面を向いていれば、両目いっぺんにできるのですけどね。 もう一度「トーンカーブ」で色を補正。 瞳孔の縁に光を入れます。新規グループ下レイヤー「瞳孔(通常)」を作成。 瞳孔の縁に、白の太さ1ピクセルのブラシで、囲むように線を描き(左)、 「フィルタ」→「ぼかし」→「ぼかし(ガウス)」でわずかにぼかします(右)。 「瞳孔」レイヤーを、オーバーレイモードに変えます。 空の反射光を入れます。新規グループ下レイヤー「空(スクリーン)」を作成します。 そこに軽く、薄い紫色を落とします。 「ぼかし(ガウス)」で、すこしぼかすとなおよいです。 「空」レイヤーの不透明度を調整して、ベストな反射光の強さにします。 ここでは私は35%にしましたが、調整するときは不透明度の数字は一切見ずに、 自分の感覚でベストライトを決定してください(^-^) 瞳をキラキラさせます。新規グループ下レイヤー「アクセント(通常)」を作成します。 そこに「ソフト円」ブラシで、大胆に白を入れます。 「アクセント」レイヤーをオーバーレイモードにします。 だいぶできあがってきました。 ハイライトを入れます。新規グループ下レイヤー「光点(通常)」を作成、 自分の方を見ているように、白を落としましょう。 このハイライトも真っ白ではなく、「光点」レイヤーの不透明度を95%くらいにし、 わずかに曇らせると、とてもよいです。 最後に、瞳と白目の縁を、わずかにぼかします。 方法はまず、「瞳」「瞳孔」「空」「アクセント」「光点」を統合した後、その統合したレイヤーを複製します。 次に複製元のレイヤーを、乗算モードにして、「ぼかし(ガウス)」でわずかにぼかします。 このように瞳と白目の縁が多少ぼやっとしていたほうが、 ホントの目っぽいしっとり感が出ます。 How to paint HAIR 髪の描き方 それでは次は髪を描きます。髪の描き方はとても質問が多いです。 髪の描き方は、お人形のような綺麗な髪が描きたいなぁと、常に試行錯誤しています。 ぜひご参考くださいませ。 ちなみに髪は、基本的にレイヤー1枚だけで描きます。 新規レイヤーは補助目的以外では作りません。 まず、「髪(通常)」レイヤーを作ります。 グレーで塗りつぶし、そこから髪の形にくりぬくのですが……。 このとき、「消しゴムツール」を「はね」ブラシにしてくりぬきます。 描き味はこんなに違います。この「はね」ブラシでくりぬくと、 サラサラした髪の毛になってくれます。比較すると…… 左が「はね」ブラシでくりぬいたもので、右が「ふつう(ハード円)」ブラシ。 だいぶ違うでしょう? んでは、塗っていきます。 まず「覆い焼きツール」と「焼きこみツール」でラフに陰影をつけます。 そうしたら、次は下塗りです。 「指先ツール」の筆先を「チョーク」ブラシにして、 次の本塗りの予行練習の意味合いも兼ねて撫でていきます。 下塗りがすんだところ。 いよいよ本塗りです。 下塗りしたところにさらに「覆い焼きツール」と「焼きこみツール」で ラフに陰影をつけます。 そうしたら、今度は「指先ツール」の筆先を「ファーリー」ブラシにして 髪を梳かすように、丁寧に撫でていきます。 ここみたいな、毛が重なっていて梳かしづらい部分は…… 「なげなわ選択ツール」で このピンクの部分のみを選択して作業しましょう。 ここでひとつポイントですが、選択範囲の「ぼかし範囲」を 0ピクセルではなく、1ピクセルに上げてください。 (「ぼかし」の設定ボックスは、「なげなわツール」を選ぶと、 画面左上のアンチエイリアスのチェックボックスのとなりに出ます) 1ピクセルだけぼかした選択範囲で作業すると、 作業後に残ってしまう、選択範囲のエッジがマイルドになります。 左が選択範囲のぼかし0ピクセル、右が1ピクセルのものです。 右のほうがエッジがおとなしいでしょう? まあ髪に限らず、イラストを描くときは、常時選択範囲を1ピクセルぼかして おいたほうがよいでしょう。 「ファーリー」ブラシですべて梳かし終わったところ。 ファーのとき同様、線画を非表示にしても絵が破綻していなければ合格。 ちなみにこの作業はかな〜り時間がかかります。慣れている私でも30分以上かかります。 まあ急いでやろうとせず、「丁寧第一」で取り組んでみてください。 最後に「トーンカーブ」で綺麗な銀髪にしましょう。 How to paint BELL 鈴の描き方 鈴……というより金属です(^^) 「覆い焼きツール」「焼きこみツール」→「指先ツール」の手順は同じですので、 かなりはしょって書きます。 金属でもっとも大切なのは、反射光にとても敏感だということです。 塗りこむときも、陰影コントラストをかなり強めに描きましょう。 また「うつりこみ」も重視します。 元レイヤーはこんな感じ。 「首輪(通常)」を親に、「鈴(通常)」グループ下レイヤーで構成します。 そういえば鈴の形は「球」ですよね? 球のポイント覚えていらっしゃいますか? これです。Aはダメ。 Bのように、反射光を考えなければいけません。 さらに金属は光沢がありますので、 鈴の下の白いファーの色がうつりこみます。 新規グループ下レイヤーで「反射光(通常orハードライト)」を作り、 白いファーの色を「スポイトツール」で採取、色を入れて表現しましょう。 「反射光」レイヤーの不透明度を調整するのもお忘れなく。 さらに、下の白い毛にも、鈴の金色がうつります。 今度は「ファー」レイヤーに新規グループ下レイヤー「反射光2(オーバーレイorハードライト)」 を作り、金色を落としましょう。 欲を申せば、鈴に赤いベルトのうつりこみも入れたいところです。 ここまでやれば、ばっちぐーです。 話はそれますが、私は中学のときの美術の先生に、 「反射光の反射光の、そのまた反射光にまで気を遣えるようになったら一人前」と 言われました。しかしうーん……今のところせいぜい、「反射光の反射光」までしか 気を遣えていません。まだまだ道のりは長いなあ……。 Makeup!! お化粧 前に風色通信でも触れましたが、私はキャラクターに化粧をしてあげています。 まずアイシャドウ。花梨はワインレッドのアイシャドウを入れます。 「ファー」レイヤーに、新規グループ下レイヤー「アイシャドウ(乗算)」を作り、 ワインレッドをまつ毛の縁にのせていきます。 そうしたら、「ぼかし(ガウス)」でかるくぼかしてなじませます。 これでアイシャドウは終わり!。 余談ですが、アイシャドウやチークの塗り方ってたくさんあるようで、 女性雑誌に載っている、お化粧講座をついつい読みふけってしまうことがあります。 たぶん、相当アヤシイ光景なんじゃないかなっ。 チークは頬骨に沿って入れると、”女のコ”っって感じになります。 頬骨の下に入れると、”大人の女性”に……。まあ余談ですけど。 「ファー」レイヤーに、新規グループ下レイヤー「チーク(乗算)」を作り、 ピンクを入れます。 「ぼかし(ガウス)」でなじませます。 今度はさっきの「チーク」と同じ手順で「第2チーク(乗算)」レイヤーを作り、 今度はオレンジを、ちょっとだけ頬から鼻先にかけて入れてあげます。 オレンジのメイクは、日焼けを連想させ、”健康的”なイメージを与えてくれます。 チークにハイライトを入れて終了。 このハイライトは完全に漫画表現ですケド、「ぷにっ」とした感じが出るので 個人的にとても好きな表現技法です。 Finish Work 仕上げ いよいよ仕上げです。 順調にいっていれば、こんな感じになっていると思います。 まず、影をつけます。 「線画」レイヤーのすぐ下に「カゲ(乗算orハードライト)」を作成し、 選択範囲をうまく使いながら、影をつけていってください。 このとき「自然すぎて影がついていることに気がつかない」ような影つけを目指しましょう。 その後、「髪」「首輪」「目」「ファー」レイヤー(要は線画と背景以外のキャラクターの部分) を統合します。その統合レイヤー名を、とりあえず「キャラクター」とします。 これから線画の最終処理をします。 まず「線画」レイヤーを非表示にし、「キャラクター」レイヤーの描画部分を選択します。 次に「キャラクター」レイヤーの下に新規レイヤー「輪郭線(乗算)」を作成後、 「編集」→「境界線を描く」を、”描画色””2ピクセル””中央”の設定で実行します。 このときの描画色は、さっき影をつけたときに使った色にすると自然になります。 「輪郭線」レイヤーを複製し、「ぼかし(ガウス)」でぼやっとぼかします。 そうすると、なんだかやわらかな雰囲気になります(^-^) 今度は線画をより自然な形で絵にマッチするようにします。 まず「キャラクター」レイヤーを複製し、「キャラクターのコピー」を作ります。 そうしたら、その「キャラクターのコピー」を、「キャラクター」のグループ下レイヤーにしてください。 次に「線画」レイヤーの描画部分を選択し、 そのまま操作するレイヤーを「キャラクターのコピー」に移し、 「トーンカーブ」でぐぐっと色調を濃く、暗く落とします。 そうやって処理したのが、上の絵です。 ただの乗算レイヤーで線画をのせるより、ずっとナチュラルでしょう? ちなみにさっきのままだとこうです 無神経な線画が、せっかくの塗りこみをジャマしてます。 まあこれはこれでよいのですけどね。 「レイヤーマスク」で、「キャラクターのコピー」レイヤーの、 それでもジャマな線画部分を消すor薄くします。 また、足りない線をつけたしたり、全体の色調を整えるなど、 最後のお手入れをします。あと、眉毛も描いたっ! 背景に、「甘く、可愛い」と見えるような ピンクと黄色をほんのりと入れて、完成です。 背景の色は、絵を見るだけの人は気にもしないものですが、 緑だと「勇敢・ボーイッシュ」、明るい青だと「爽快」などのイメージがあります。 これは決定的な隠し味になるものですので、色合いは慎重に選びましょう。 これにて絵は完成です!! ほんっとうにお疲れさまでした!! Afterword あとがき CG講座その2を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。 この講座を書きながら「この3年でけっこう技術が進歩したなあ」と自分では思ったものの、 たぶん他の人から見れば、そう変わってはいないんだろうなあ、とも思います。 前にも書きましたが、絵の技術というのは、 自分で考えて編みだしたワザこそ、ほんとうに価値のあるものです。 ここに紹介した田代憂のワザが、皆さんの独自スタイルのワザ開発への 踏み台にでもなってくれれば、私としてはこの上ない幸せです。 それでは〜。